ある日の夜中。
実家に僕の家族と1人の友達がいて、みんな慌ただしくしながら、何かに怯えている。
もちろん僕も。
何って、まぁ、ゴジラに。
そう、地元の町がゴジラに襲われていた。
家の2階の北側の窓を開けると、遠くの国道を左から右へ、ものすごいスピードでゴジラが通り過ぎた。
僕は目を疑った。
背筋がゾッとした。
まさかゴジラが原チャに乗っているとは。
とんでもなくデカい原チャを、ゴジラがポケバイのように乗り回していた。
僕と兄と友達の3人は、ゴジラが居た方角とは逆の家の南口から飛び出し、北側へ様子を見に回りこんだ。
すると、ゴジラがこっちにズンズン向かってきていた。
僕らは焦りながら、さっきいた2階の北側の窓へよじ登り、家の中へ逃げ込んだ。
何をしに外へ飛び出したのか、さっぱり意味がわからない。
なんとか3人とも家に入り、雨戸を閉めた。
すると、おじいちゃんが「雨戸閉めたらゴジラが向かってきとるか見えへんやろ!」と怒りだした。
渋々雨戸を開けると、もう目の前には大きな太ももが。
慌ててみんな南口から外に出て、恐る恐る見上げると、とてもカジュアルなカッコをした大学生っぽい男の巨人がぬぅっと立っていた。
もう外は昼間になっていた。
どうやら、昼になるとゴジラはとてもカジュアルな大学生っぽい巨人になるようだ。
性格もおとなしい。ただ、デカいから怖さはある。
僕はカジュアル巨人に見つからないように、家陰に隠れながら浜辺にたどり着いた。
すると、そこにはスゴい人だかりが出来ていて、みんな何かを見上げている。回りには警察とか機動隊がいて、戦車もあった。
ふとみんなが見上げている方を見ると、肩車した2人のカジュアルな巨人がいた。
多分僕の家を襲ったカジュアル巨人と同種族だ。
よく見ると、肩車したままデカいブランコにのって、チェーンで縛られている。
まぁあんな生き物、どう考えても人間にとっては脅威やし、殺られるんやろなーって思った。
そんな感じで見ていると、突然振り子の鉄球が巨人達を襲った。
どかーん。
もちろん、巨人はグッタリ。
鉄球って………戦車使えよ。
で、目が覚めた。